歯周病治療
脇田歯科 歯周病治療の考え方

歯周病の症状に対して治療するのは、対症療法で「その場しのぎ」ですから、結局、病気は進行してしまいます。
歯周病の原因に対してアプローチします。
切らずに治すことを優先します。歯周外科をすることは稀です。
「歯周外科を受けても歯の寿命は伸びなかった」という研究もあります。
歯根の表面が滑らかになることが必須で、「お薬だけで治る」わけではありませんが、お薬による内科的治療も行う場合があります。
怖い TNFα 歯周病の全身疾患に対する影響
歯周病が進行していきますと、歯周病菌の出す毒素(リポポリサッカ ライド:LPS)により、TNFαという炎症性サイトカインがでます。
TNFαは、インスリン抵抗性を示し、グルコース(ブドウ糖)の細胞(筋肉細胞、脂肪細胞など)内への取り込みを抑制し、高血糖をきたします。
TNFαは、リポ蛋白リパーゼ(LPL)の活性(産生)を抑制し、高脂血症(高中性脂肪血症)をきたします。
TNFαは、血管内皮炎をきたします。
インスリン抵抗性とは、インスリンがあるのにインスリンの働きを悪くしてしまっていることです。
歯周病用のブラッシング法=つまようじ法
岡山大学名誉教授 渡邊達夫先生考案のつまようじ法を、積極的に取り入れています。
歯科衛生士が「つまようじ法ブラッシング」でブラッシングして差し上げることで、歯周病が改善しやすくなります。
歯周病の治療、ケアにおいては、歯と歯の間のブラッシングが最も難しい場合が多いのですが、つまようじ法ブラッシングですと、この部分の歯垢がよくとれますし、歯肉の抵抗力を強めることができます。
また、慣れますと、ブラッシングのときに気持ちいいため、長続きしやすいです。
歯周内科
「歯周内科」は、お薬で歯周病を改善する方法です。お薬さえ服用すれば歯周病が治ると過剰な期待をするのは非常に危険ですが、多くの方で一定の効果が有りますので、歯周内科を併用するのは効果があります。
- 歯周病とは?
虫歯は歯の病気ですが、歯周病は、歯の周りの病気です。
歯を支えている歯ぐきが炎症をおこし、顎の骨が溶けてなくなっていく病気です。
進行すると、歯を支えることができなくなります。
- 歯周病の原因
1.プラーク(歯垢)
これが一番の原因です
2.抵抗力の低下
睡眠不足・栄養不足・過度のストレス・喫煙など
3.ふつりあいな咬み合わせ
歯周病のメカニズム
歯ぐきに炎症が起こります
歯ぐきが赤く腫れます。
歯を磨いたり、物をかじったりすると、歯ぐきから出血します。
歯周ポケットから膿が出ます
歯周ポケット(歯ぐきと歯の間のすきま)が広くなり、そこから出血したり、膿が出たりします。
口臭がひどくなります。
歯がぐらついてきます
歯を支える骨が少なくなり、歯がぐらぐらしている状態になります。
歯が抜けます!
歯根が露出し、ぐらついていた歯が抜けます。
歯周病にならないためには?

第一に、ブラッシングして歯垢を取り除くことです。
ブラッシングしているだけでなく、「歯垢を除去できている」ことが必要です。
私どもでは、適切にブラッシングすることについて、繰り返しご説明いたします。
全身の抵抗力を高くしておくことが、必要です。
咬み合わせのバランスがとれていると、歯周病になっても比較的進行が遅いです。
歯周病の治療
原因1(歯垢)に対して歯垢を除去しやすい環境をつくります。
- 隙間のない詰め物やかぶせ物を入れること
- 位置異常歯を抜歯すること
- 歯を支える骨の形を滑らかにすること
- 歯を支える丈夫な歯肉を確保すること
歯垢を取り除きます - セルフケア
- プロフェッショナルケア
原因2に対して全身の抵抗力を高めます。
- 十分な睡眠
- 十分な栄養
- 適度の運動
- 適度なストレス
原因3に対して咬み合わせの不釣り合いを減少させます。
- 咬合調整
- 矯正治療
- 咬合治療